2009/03/22

馬上少年過ぐ③

気を抜くと更新が滞る男、人呼んで更新が滞る男。
定額給付金の案内もぼちぼち発送された今日このごろ、
みなさんいかがお過ごしでしょうか。

さぁいつまでも引っぱってる仙台市博物館の報告を終わらせてしまおう。
今回は読者完全無視のマニアック路線で。
名付けて「魅惑の武将書状特集」。
きたー。ぞくぞくするー。

Tkj まず最初は、足利尊氏さん。
何しろ小学生憧れの職業No.1、征夷大将軍。
カッコイイ。

これは尊氏さんから伊達家へ宛てた書状。
鎌倉末期~室町初期にはすでに守護大名として
確固たる地位を築いていたことがわかりますな。

政宗さんの母義姫は山形最上家の出。最上家は清和天皇系、つまり源氏の系譜。
嫁さん愛姫の田村家は、あの初代征夷大将軍 坂上田村麻呂の子孫。
なんとも由緒正しきお家柄。

Nbngtf 続いてはこちら、ミスター戦国時代。
楽市楽座フリーダムで天下布武トゥギャザー。
織田信長さんの書状。
政宗の父、輝宗に宛てたもので、内容は
「鷹どうも、ちょーうれしい」って感じ。
この時代、鷹狩は武士のたしなみ。
良い鷹は引き出物として贈られたようです。

烈火のごとき激しさと、芸術を理解する繊細さを持ち合わせたという彼。
その字も豪快かつ優雅な雰囲気。天下布武のスタンプが輝いてますなー。
それにしても、信長と伊達輝宗に交流があったとは驚きでしたな。
戦国武将のネットワークの広さに改めてビックリですわ。

Hdysh さてお次は立身出世の雄、豊臣秀吉さん。
ワーキングクラスヒーローなスーパーモンキー。

これは政宗に宛てたもので、やっぱり
「鷹サンキュ、お礼に太刀あげちゃう」って内容。
花押といい文字といい、やっぱり派手だよねぇ。
向かうところ敵なし、ってエネルギーを感じます。

Iys 信長、秀吉ときたら最後はこの人。
大御所、徳川家康さん。
その字は、チマチマチマチマと(笑)
一見すると小物なんじゃないか…いやいや、
恐ろしく慎重で辛抱強いって見方もできますな。
そのくらいじゃないと天下は掴めないということか。
天下は一人の天下にあらず。やっぱり大物ですな。

Odwrtsie 個人的に一番「おぉっ」と思ったのがこちら。
浅野長政と前田利家が連名で政宗に宛てたもの。

何が「おぉっ」かと言うと、その内容は
「政宗ちゃん、ヤバイって!関白ブチギレだって!
早く来たほうがいいって!」というもの。

関白秀吉が小田原攻めを行ったとき、政宗は悪巧みして参陣を遅らせてました。
秀吉家臣の長政と利家が見かねて懇意の政宗に助言したものなんですな。
歴史書で読んだことのあるやりとりがこうして目の前にあるという感動。
地球に生まれてよかったー。

Msmn3 仙台市博物館だから当然、政宗さんの書状も
数多く収蔵されています。

政宗さんは達筆だよねぇ。
平安時代の歌人のような文字。
実際、平安期の歌集や物語も好んだらしく、
政宗による写本もいっぱい残ってます。

Msmn2 これは政宗さん晩年の書状。
上の書状と比べると、花押のセキレイが
丸々と太ってますな。

泰平の世になりセキレイも年老いて肥えたのさ
って言う人もいますが、真意はわかりません。

イキな政宗さんのことだから、そんな遊び心があってもおかしくないですな。

さぁかなりディープにお送りしてきた仙台市博物館の模様もこれにて終幕です。
不況で休みが増えたけど金がないって方、こんな週末の過ごし方もいいもんでっせ。

あ、ちなみに展示内容は定期的に変わるらしいんで、ご注意を。
「行ったけどあれがねぇぞ!」とか怒らないでね。

今日の一曲:Passing the time/Cream

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2009/03/01

馬上少年過ぐ②

引き続き、仙台市博物館の模様を。

こちら、気前のいいことに館内の撮影は自由です。
素晴らしい。ただしフラッシュは厳禁よ。

さてその内容はというと。
宮城県で見つかった旧石器時代の発掘品から始まり、
年代順に展示物が展開されていきます。

Jmn こちらはお馴染みの縄文土器。

我々が学校で学んだころは、
縄文人は狩猟をしながら陽気にジプシーしてた、
と思われていましたな確か。

しかし近年、研究してみたらどうやら違うぞ、と。

青森の三内丸山遺跡なんかは定住の跡が見られるそうです。
なんと約1500年間の長きに渡って栄えた一大都市であったとか。
しかも、縄文時代後期には稲作までやっちまってたそうです。

稲作といえば、かつては弥生時代の専売特許でした。
恐るべし縄文人、米食ってた。
でも湿地にパラパラっと籾を蒔いて育てる家庭菜園レベルだったらしいけど。

Shku 縄文時代といえばこちら。
萌えパッケージ戦略の秋田県も嫉妬する
このコケティッシュなプロポーション。
スーパーアイドル遮光器土偶。

名前の由来は、キュートなお目々がエスキモーの
ゴーグル(遮光器)に似ていることから来てます。

Yyi 縄文人が米を食っていたとはいえ、
やはり本格的な水田耕作は弥生時代から。
こちらは弥生式土器。

ちなみに、弥生時代の始まった時期。
現在の通説では我々が習った時期よりも
500年くらい早まっているそうで。

その後、古墳時代、奈良時代と時代は下って。
そのへんは大胆に省略。
あ、でも仙台に国分寺があったのは目からウロコ。
復元模型でその規模を見るに相当なもんでした。

Ssn 地味だけど個人的に目を引いたもの。
中国銭、写真はいわゆる宋銭ってやつ。
鎌倉時代あたりは国産の通貨ではなく、
輸入した中国銭で交易が行われていました。
まだ通貨が浸透しきっていなかった時代、
中央ならともかく北の果てのこの奥州にも
こうして流通していたことにちょっと感動。

さらに時代は下って。
史上最もドラマチックな時代、室町末期から江戸時代へ。

Knsngsk_2 いわゆる戦国時代。
戦国武将のシンボルとも言える鎧兜。
中でもこちらはなんとも珍しい兜。

上杉謙信所用の具足。
なんかの儀式用だろうか。
なんとも愛嬌があるというか何と言うか。

…謙信さん、ぶっちゃけやっちまった?
いやいや、当時の前立てには仏教要素が
取り入れられることが多く、しかも目立って
ナンボの世界。こういうのもアリなんでしょう。

Ksr これはもしかしたら江戸時代のものかな?
ただのキセルではありませぬぞ。
何を隠そう仙台藩祖 伊達政宗公ご所用の
ものであるぞ控えおろう。

政宗さんは朝、昼、就寝前と規則正しく
一日三回喫煙してたらしいです。

Bj ピンボケな政宗さん肖像画。
良く見ると隻眼ではありません。
「病とはいえ親からもらった物を失ったのは
不孝である」と政宗さんは肖像画や銅像に
右目を入れて作らせたんですな。

左上には「馬上少年過」の政宗作の漢詩が。

「馬上で過ごした若き日々は過ぎ去り
 世も平和になって頭には白いものが多くなった
 天命も残り僅かになったが、これを楽しまないでどうしようか」

最後の一節は、「楽しくないのはどうしてだろう?」とも読めますな。
風流を理解した伊達オトコ。きっとダブルミーニングなんじゃなかろうか。

さてさて、次回は戦国の武将達が残したものをもっとディープに…
自分で書いてて笑えるほど渋いブログになってきた。

今日の一曲:虹/くるり

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2009/02/24

馬上少年過ぐ①

さて突然ですが。

杜の都仙台。
この街は城下町ですな。
戦国時代末期、独眼龍こと伊達政宗さんが築いた仙台城。

Kbz 戦災などで建造物は残されていませんが、
本丸から二の丸、三の丸と石垣が残り、
本丸天主台にはお馴染みの政宗さん。

自らが開いた仙台の街を現在も頼もしく
見守っております。
夕方に撮影したんですっかりシルエットですが。

この有名な騎馬像、実は2代目だったって知ってました?

では初代騎馬像はどうしたのかと言いますと。

太平洋戦争時、政府は金属の物を片っ端から召し上げて武器を作りました。
なんと初代伊達さんも召し上げられて武器に変えられてしまったそうです。

そういや我が地元の某ハチ公さん像も召し上げられたもんなぁ。
終戦後は渋谷に居ついちゃって、まったくどこが忠犬だと。

冗談はともかく。

こうして、しばし主不在の仙台城となりましたが、
これじゃいかんと後釜に政宗さんピンの立像が作られました。

ところが、後に騎馬像作者の家に鋳型が残っていることが分かり、
やっぱり騎馬像がいいぜ!という市民の熱い「馬に乗れ運動」により、
現在の2代目騎馬像が作られましたそうです。
ちなみにリリーフを勤めた立像は、今は岩出山城跡におわします。

無念にも帝国主義の溶鉱炉に散ったと思われた初代伊達さん。
しかしそこは不屈の独眼龍、奇跡の生還を果たします。

Kyz なんと上半身は溶かされず、どっかの
倉庫に転がっているところを保護されました。

こちらが栄光の初代伊達政宗騎馬像。
の上半身。

さすが秀吉、家康に最後まで屈しなかった男。

さすがの軍国主義者も、この不世出のヒーローを熔解するのは
気がとがめたのでしょうかね。まるで胸像のように見事に残すとは。

Hkbtkn この初代騎馬像は、現在こちらに。

仙台市博物館です。

仙台城三の丸跡地に建つこの博物館には
伊達さん関連はもちろん、仙台の曙から近代
までの資料がたくさん展示されておりまする。

思いがけず騎馬像だけでずいぶん語ってしまったんで、
肝心の博物館観覧記はまた次回ということで。

次回はかなり真面目な内容になる予定なんで、日本史に
興味のない方は申し訳ないがしばらくyoutubeでも見ててくだされ。

今日の一曲:Traveling riverside blues/Robert Johnson

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